日本三奇橋の一つ「猿橋」を見学
「猿橋」とはなんとも奇妙な名称ですが、その名前以上に実物はもっと不思議な造形をしています。
山や川の多い日本には昔から使われてきた橋が無数に存在していますが、その中でも特に構造が変わっているものとして「日本三奇橋」が伝えられています。
その中の一つが「猿橋」という山梨県大月市にかかる橋で、高い崖と崖をつないでいるにもかかわらず、その床を支えるはずの橋脚が全くなく、かわりに“結木”という木材が橋が崩落しないように支えているのです。
蛇足ながら付け足しで説明をしますと、日本三奇橋のあと2つは山口県岩国市の「錦帯橋」と、富山県黒部市にある「愛本橋」です。
もっともこのうち「愛本橋」はすでにかつての橋が取り壊されて新しく現代技術による橋に作り替えられているので、現存する日本三奇橋はこの「猿橋」と「錦帯橋」だけということになります。
猿橋のしくみと歴史について
猿橋が崩れずに今まで残っているのは、崖と崖をつなぐ橋の接続部分の床にある結木です。
橋を側面から見てみると、4層構造で木を組み合わせて並べた構造をしているのがわかります。
この組み合わせ方は実用的に優れたものでありながら一つの造形物としての素晴らしく、訪れたときにはなんとか近くでどうなっているか見たいと目を凝らしたりします。
猿橋ができたとされるのは西暦600年頃とされており、百済国より渡来した志羅呼(しらこ)という人物が急な崖を野生の猿がお互いに手をつないで向こうの岸に渡っていたところを見てそこからヒントを得たとしています。
ただし現在かけられている橋は当時のままのものではなく、昭和59年に作り替えられています。
橋は現在も普通に渡れるようになっているので、ぜひ訪れたときにはバイクを降りて橋からの景色を見てみてください。
猿橋までのルート
猿橋は山梨県にありますが、東京都にちょうど隣接する場所にあるのでそれほど長い距離を移動するというわけではありません。
ルートとしては奥多摩からの道が最もわかりやすく青梅街道を奥多摩方面に直進をし、奥多摩湖を南に横切るようにして走る国道139号線を南下していきます。
直進をするとやがて県境から大月市に入るので、延々と南下すると猿橋駅が見えてきます。